2008年03月18日

いまさら聞けない「公益認定法人って何ですか?」

1. いまさら聞けない「公益認定法人って何ですか?」
良く聞いてくれました。

2. 昔から六法全書を読んでいる方々の中には、民法38条から84条の社団法人・財団法人の規定が削除されているのを見て驚いた方もいらっしゃるかもしれません。

3. 民法上の法人は、公益を目的とした法人に限られ主務官庁の許可を得て設立されていました(旧民法34条)。しかし、行政改革の一環として、官庁の許可制を改め、法人設立と公益性の認定とを分けたのが今回新しく制定された「一般社団法人および一般財団法人に関する法律」(以下「一般法人法」といいます。)、「公益社団法人および公益財団法人の認定等に関する法律」(以下「公益法人認定法」といいます。)です。

4. 一般法人法と公益法人認定法は、平成18年6月2日に公布され、新法が施行されるのは2年6ヶ月以内とされていますから、遅くとも平成20年12月には施行されます。新法施行前に旧民法34条に基づき設立された既存の公益法人については経過措置として5年間の移行期間の猶予があり、その間に行政庁の認定を受けて公益法人認定法上の公益社団法人、公益財団法人となるか(整備法44条)、または、行政庁の認可を受けて一般社団法人、一般財団法人へ移行することになります(整備法45条)。移行期間内に認定、認可を受けないと移行期間満了とともに解散することになってしまいます(整備法46条1項)。

5. 現在、多くの民法上の公益法人が、新制度移行に向けて試行錯誤しているようです。特に、公益認定法人としての認定を受けるためには、例えば、「公益目的事業比率が100分の50以上となることが見込まれること」(簡単に言えば、法人の費用の50%以上が、公益目的事業に使用されていなければならないということです。)といった要件があったり、このほかにも多数の認定要件を全てクリアできるのか、要件をクリアして公益法人の認定を受けることにどれだけのメリットがあるのかなど、多くの法人が、様々な観点から検討をしている模様です。 
                           以上
posted by 中村千之 at 22:32| Comment(0) | TrackBack(0) | 商標法

2008年02月11日

いまさら聞けない「並行輸入って何ですか?」(2)

1. 真正品の並行輸入について、違法性が阻却される場合があるとして、どういう場合が「真正品」なのでしょうか?

真正品の典型は、海外の商標権者A社が、自らA社の商標を付して製品を製造、販売している場合です。 

2. また、例えば、海外における商標権者がA社で、A社の商標を付した製品を製造、販売しているのがB社だとします。B社がA社から商標使用のライセンスを受けてライセンス契約に従って製造していれば原則として真正品といえますが、気をつけなければならないのは、ライセンス契約違反があるとライセンシーたるB社が製造したものでも真正品と認められない場合があることです。例えば、ライセンス契約上ライセンシーが製造を許諾されていない国で製造した製品の輸入につき、真正品の並行輸入とは認められないとした最高裁判所の判例があります。

3. ライセンス契約違反がないかどうかは、製品の購入者には判らないので、この点は、並行輸入業者が、輸入した後から「あなたの販売しているのは真正品ではありませんよ。」と言われたりするリスク要因となりかねません。並行輸入業者としては、輸出業者との売買契約などで、売主に表明保証させるなどして、契約上のリスクを補完する必要があります。
posted by 中村千之 at 14:28| Comment(0) | TrackBack(0) | 商標法

2007年12月27日

いまさら聞けない「並行輸入って何ですか?」(1)

1.良く聞いてくれました。
 並行輸入品というのは、外国で製造されたブランド品を、ブランド会社と直接契約をした人(いわゆる「正規代理店」と呼ばれたりします。)以外の人が輸入して日本で販売している製品のことです。外国で合法的に製造された真正のブランド品の輸入であるという点で、偽物の輸入とは異なります。
 どうして、並行輸入が商売になるかというと、円高などの影響もあってか、同じ商標(トレードマーク)を付した製品でも、日本で購入するよりも海外で購入した方が安く買えたりするからです。私は、釣り、テニス、ゴルフが趣味なのですが、例えば、日本でも売っているブランドのゴルフクラブやテニスラケットを、アメリカに旅行したついでに買ったりした場合、日本より安く購入できたりすることがあります。これを商売としてやっているのが、いわゆる並行輸入です。
 正規代理店としては、ブランド会社に商標使用の対価を払いつつ、日本でブランドを紹介し、その価値を高め、維持することに多大な費用をかけてブランド品を扱っているので、せっかく努力して高級イメージを出してるのに、安値で並行輸入品が出回ってはたまらない、ということになります。一方で、消費者としては、同じブランドの製品が、より安い値段で買えるのならそれも良いかな、ということになりましょうか。それぞれの立場で利益が微妙に衝突する問題です。

2. なお、並行輸入が法律上の問題を引き起こすのは、商標(トレードマーク)についての権利である商標権について登録制度が採用されており、同じマークでも、日本と外国で商標権者が異なることがありえるからです。例えば、同じマークについて、米国ではA社が商標権者として登録し、日本ではB社が商標権者として登録したとします。私がA社の製品を輸入して日本で販売しようとすると、A社が製造した真正品で米国ではホンモノあっても、日本ではB社の商標権を侵害する「違法なもの」ということになってしまいます。ただ、例えばB社がA社の日本における子会社であったりしてブランドの出所が同じで、B社の製品とA社の製品で品質に違いがないような場合にまでB社に商標権侵害を主張させなくてもいいんじゃないの、ということで、このような場合には違法性が阻却され、適法な真正品の並行輸入と解されています。
posted by 中村千之 at 16:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 商標法