2007年12月27日

いまさら聞けない「並行輸入って何ですか?」(1)

1.良く聞いてくれました。
 並行輸入品というのは、外国で製造されたブランド品を、ブランド会社と直接契約をした人(いわゆる「正規代理店」と呼ばれたりします。)以外の人が輸入して日本で販売している製品のことです。外国で合法的に製造された真正のブランド品の輸入であるという点で、偽物の輸入とは異なります。
 どうして、並行輸入が商売になるかというと、円高などの影響もあってか、同じ商標(トレードマーク)を付した製品でも、日本で購入するよりも海外で購入した方が安く買えたりするからです。私は、釣り、テニス、ゴルフが趣味なのですが、例えば、日本でも売っているブランドのゴルフクラブやテニスラケットを、アメリカに旅行したついでに買ったりした場合、日本より安く購入できたりすることがあります。これを商売としてやっているのが、いわゆる並行輸入です。
 正規代理店としては、ブランド会社に商標使用の対価を払いつつ、日本でブランドを紹介し、その価値を高め、維持することに多大な費用をかけてブランド品を扱っているので、せっかく努力して高級イメージを出してるのに、安値で並行輸入品が出回ってはたまらない、ということになります。一方で、消費者としては、同じブランドの製品が、より安い値段で買えるのならそれも良いかな、ということになりましょうか。それぞれの立場で利益が微妙に衝突する問題です。

2. なお、並行輸入が法律上の問題を引き起こすのは、商標(トレードマーク)についての権利である商標権について登録制度が採用されており、同じマークでも、日本と外国で商標権者が異なることがありえるからです。例えば、同じマークについて、米国ではA社が商標権者として登録し、日本ではB社が商標権者として登録したとします。私がA社の製品を輸入して日本で販売しようとすると、A社が製造した真正品で米国ではホンモノあっても、日本ではB社の商標権を侵害する「違法なもの」ということになってしまいます。ただ、例えばB社がA社の日本における子会社であったりしてブランドの出所が同じで、B社の製品とA社の製品で品質に違いがないような場合にまでB社に商標権侵害を主張させなくてもいいんじゃないの、ということで、このような場合には違法性が阻却され、適法な真正品の並行輸入と解されています。
posted by 中村千之 at 16:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 商標法